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国立病院機構鈴鹿病院における虐待事案
に対する抗議文

2024年7月25日

国立病院機構鈴鹿病院 病院長 殿
三重県知事 殿

全国自立生活センター協議会 
代表 平下 耕三

国立病院機構鈴鹿病院における虐待事案に対する抗議文

私たち、全国自立生活センター協議会は、どんな重度な障害があっても地域で当たり前に生活し、障害のない人と同じ権利を持ち、地域の中で共に生きる社会の実現を目指して活動をする障害当事者団体です。全国100ヶ所を超える障害当事者団体(自立生活センター)で構成しています。
この度、鈴鹿病院における医師や看護師による入院患者に対する虐待行為が確認されたとの報道を受け、深い憤りと強い衝撃を感じております。
報道によれば、鈴鹿病院では昨年、医師や看護師ら8人が障害のある患者に対して「ごみ」「ダンゴムシみたい」などの暴言を吐くといった虐待行為が合計36件確認されたとのことです。また、入浴後の患者をバスタオルだけで15分間放置するなどの人間の尊厳を無視した不適切な対応が行われたことが明らかになりました。これらの行為は、患者の尊厳を著しく損なうものであり、絶対に許されるべきではありません。
さらに、貴院がこれらの事案を把握していながら、自治体への通報を怠っていたことは、障害者虐待防止法に明確に違反しており、極めて遺憾です。このような対応は、障害者やその家族の信頼を完全に失うばかりでなく、貴院の信頼性にも深刻な損害を与えるものです。
私たちは以下の点について、強く抗議し、直ちに改善を求めます。

≪当事者への謝罪≫
●直接の被害を受けた患者およびその家族に対して、貴院の最高責任者から正式かつ誠実な謝罪を行うこと。

≪再発防止策の徹底≫
●今後同様の事態が発生しないよう、職員に対する徹底した教育・指導を行うこと。
●定期的な内部監査および外部からの厳格な監査を実施し、その結果を公表すること。

≪透明性の確保≫
●今回の事案に関する本人・家族等への聞き取り等、詳細な調査報告を行い、その結果を全ての関係者やマスメディアに公開すること。

≪自治体との連携強化≫
●障害者虐待防止法に基づく義務を果たし、自治体への迅速な通報および連携を強化すること。

≪虐待防止に関する研修の徹底≫

●二度と虐待を起こさないために人権意識を高めるための研修を必ず行うこと。 (なお、私たち全国自立生活センター協議会は、障害のある当事者による虐待防止 ワークショップを実施していますので、研修に協力することが可能です)

≪社会的入院の精査と地域移行の仕組みづくり≫

●現行の障害者施策においても施設や病院からの地域移行が推奨されており、貴院における社会的入院の精査と地域移行の仕組みづくりを早急に行い、地域の相談支援事業所等、関係機関と連携協力し、患者の地域移行に取り組むこと。

 これらに関して検討をし、結果を報告すると共に経緯、謝罪、再発防止対策をWEBサイトにおいて公表することをお願い致します。

また、三重県に対しても、以下の点について強く要望いたします。
≪監視体制の強化≫
●障害者福祉施設や医療機関に対する定期的かつ厳格な監査を実施し、虐待行為が発生しないよう予防策を講じること。

≪通報制度の周知徹底≫

●障害者虐待防止法に基づく通報制度を医療機関や福祉施設に徹底的に周知し、早期発見・早期対応が行える体制を整えること。
支援体制の充実
●虐待被害者およびその家族に対する支援体制を強化し、必要なサポートを迅速かつ適切に提供すること。

私たちは、障害者が安心して医療を受けられる環境の整備を求め、貴院および三重県が今回の問題を真摯に受け止め、迅速かつ具体的な対応を取ることを強く望みます。

以上

国立病院機構鈴鹿病院における虐待事案に対する抗議文

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旧優生保護法国家賠償の最高裁判決
に関する声明

2024年7月12日

旧優生保護法国家賠償の最高裁判決に関する声明

 

全国自立生活センター協議会
代表 平下耕三

私たち、全国自立生活センター協議会は、どんな重度な障害があっても地域で当たり前に生活し、障害のない人と同じ権利を持ち、地域の中で共に生きる社会の実現を目指して活動をする障害当事者団体です。全国100ヶ所を超える障害当事者団体(自立生活センター)で構成しています。
7月3日、旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めている裁判のうち、仙台や東京などで起こされた5つの裁判の判決が最高裁判所大法廷で言い渡されました。
戸倉三郎裁判長は、「旧優生保護法の立法目的は、当時の社会状況を考えても正当とは言えない、生殖能力の喪失という重大な犠牲を求めるもので、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反し、憲法第13条に違反する」と指摘しました。また、障害のある者などに対する取り扱いで、法の下の平等を定めた憲法第14条にも違反するとして、旧優生保護法は憲法違反だとする初めての判断を示しました。そのうえで原告側の訴えを認め、5件のうち4件で国に賠償を命じる判決が確定しました。
不法行為から20年が過ぎると賠償を求める権利がなくなる「除斥期間」については、「この裁判で請求権が消滅したとして国が賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し容認できない」として認めませんでした。今回の最高裁での判決を私たちは支持します。
他方、1996(平成8)年まで48年間続いた旧優生保護法は、障害を理由とした不妊手術を認め、手術を受けた人は全国でおよそ1万5000人に上るとされています。
不良な子孫を残さないという目的で生殖能力を失わせ、自己決定権を奪ったことは、国家として障害のある私たちの存在を否定した極めて重大な人権侵害です。法改正後も国会で適切かつ速やかな補償の措置を講じることが強く期待されたにも関わらず、一時金320万円の支給にとどまり、国は不誠実な対応に終始しました。
今後は、国として明確な謝罪を求めます。また、手術を受けた人は全国で2万5000人に及んでいます。現在では、一時金を申請した一部の人にしか支給されていません。今後、立法での解決が求められますが、多くの被害者が声をあげられる仕組みを構築し、すべての被害者が救済され、適切な支援が受けられることを強く求めます。再発防止の取り組みとしては、優生保護法の歴史とその影響を正しく理解し、広く社会に共有するための教育と啓発活動を行い、すべての人々の人権を最大限尊重する法制度を構築し、差別や不当な扱いを排除するための見直しを行うことを求めます。
そして、政府のみではなく、マスメディアなどを含め、すべての人々が尊厳を持って生活できる社会の実現に向けた取り組みを、私たちと共により加速させていくことを求めます。

以上

旧優生保護法国家賠償の最高裁判決に関する声明

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精神保健福祉法附則決議に基づく身体拘束
についての要望

私たち全国自立生活センター協議会は、5月13日に厚生労働省に以下の要望書を提出しました。

厚生労働大臣
武見 敬三 殿

 
2024年5月10日
全国自立生活センター協議会
東京都八王子市明神町4-11-11シルクヒルズ大塚1F
代表 平下耕三
精神障害プロジェクト一同

「精神保健福祉法附則決議に基づく身体拘束についての要望」

私たちは全国120か所にある、障害者の権利擁護と地域での自立生活を実現する「自立生活センター」の集まりです。私たちは障害の種別を問わず、人として尊厳をもって地域で自立生活することをサポートし、地域社会の変革に取り組んでいます。
2022年11月の第210回国会にて精神保健福祉法の改正がされ、身体拘束に関しては衆議院附帯決議で、「隔離・身体的拘束に関する切迫性、非代替性、一時性の要件を明確にするため、関係団体との意見交換の場を設け、厚生労働大臣告示改正を速やかに進めること」と決議され、参議院附帯決議では「隔離・身体拘束の対象が実質的にも限定されるよう必要な措置を講ずること」と決まりました。
現行の精神保健福祉法では身体拘束を許可する要件として「不穏・多動の顕著な場合」とあり、判断基準がとても曖昧で、医師の裁量権がとても大きく、病院間、地域間、医師の資質の差が激しい精神科病院において、患者は常に身体拘束の脅威にさらされ、人権侵害の危機がある状態です。この法律がある限り、患者が「拘束しないでくれ」と主張しても、「不穏・多動がある」と医師が判断すれば法律に基づき隔離、身体拘束が行われます。2024年2月には兵庫県神戸市の精神科病院で7日間の身体拘束後に患者が死亡する事件で遺族が病院を相手どり訴訟を起こしました。保護室の監視カメラには「不穏・多動」の様子は見られないと遺族は主張しています。このように私たち精神障害者の人権・生命・自由が全く軽く扱われてしまいます。
私たち精神障害者はこの法律のために、長い間、不当な身体拘束・隔離に苦しめられてきました。自立生活センターに関わる精神障害当事者も「保護室に隔離された時に医師の診察がなく看護師の判断で隔離された」「保護室から出してほしいと訴えても取り合ってもらえないこともあった」などの声があります。
また近年ではこうした違法性のある身体拘束について各地で裁判も行われています。身体拘束は人としての尊厳を大きく傷つけ自由を奪い、その結果、自己肯定感が大きく傷つけられ、気力を奪われ、長期入院につながることや、退院後も自己の尊厳を取り戻すことに多くの時間がかかり、場合によっては精神科病院への不信感、自殺念慮や再入院につながることもあります。また身体的にも肺塞栓症などを起こし死に至るケースや身体的損傷を受けることがあります。
いうまでもなく病院は本来患者を治療、守る機関であり、法律により病院が人権侵害を行う権限を強く持っていることは決して許されてはならないことです。安易な身体拘束は、病院側の治療体制、看護体制を患者に押し付けるものであり、これは国連の障害者権利委員会による総括所見に真っ向から反する状態です。
また身体拘束をしない治療を進める病院が国内、国外でも存在し、こうした実例が身体拘束によらない治療が非現実的でないことを証明しています。以上のことにより、厚生労働大臣に以下のことを切に要望いたします。

1 2021年10月に名古屋高裁で、2016年に石川県の精神科病院「ときわ病院」での身体拘束で患者が死に至った事件で、このケースの身体拘束が違法であるという判決が出ています。これは「ときわ病院」が特殊なわけではなく、精神科病棟では日常的にある身体拘束の典型的な事例といえます。このように現行の法律では、安易な身体拘束が、患者本人の意向を無視して行われます。国連の障害者権利委員会の総括所見を踏まえ、身体拘束を原則としてなくすために、「身体拘束は原則としてなくすこと」「身体拘束に代わる患者を守る安全な治療法を確立するために、個々の病院で身体拘束ゼロに向けた計画と、海外などの事例研究(オープンダイアローグ等)や研修を行い身体拘束ゼロを現実的実現に向けた具体的な方策を必ず作り実現すること」と厚労省通達を出すこと。

2 告示改正にあたっては障害者団体など当事者団体との意見交換の場を必ず持ち、真に患者の生命、人権を守るための法律とすること。

3 身体拘束は基本的に行なってはならないと告示改正に入れること
理由としては身体拘束は人権を奪う行為で、その多くは医療側の体制不備によるものであり本来あってはならない。また身体拘束を行うことによって、医師・看護師などと患者との信頼関係を壊しその後の治療に大きな影響を与えるものである。患者にとって尊厳を傷つけられることでトラウマや過剰なストレスを生むなど入院時のみならずその後の日常生活に大きな影響を与えるものである。また身体拘束は、医師・看護師など医療側の権力を増大させ、患者との間に意識的・無意識的に支配服従関係を強制的に与えるものである。このことが医療者から患者への虐待へとつながっていく一つの要因となっている。従って基本的に身体拘束は行ってはならない。

4 3が基本的な大きな方針であるが、現状の医療体制では患者の生命、重大な身体的な危険が及ぶ場合で他の代替案がなくやむをえず身体拘束をする場合は、ごく短時間だけ行うようにすること。また「不穏多動」の文言は病院の人員など体制を補うために安易に当てはめることができるので、この文言は廃止すること。

5 やむをえず身体拘束をする場合は「切迫性」「非代替性」「一時性」の3要件をすべて満たすこと、また3要件のうち1つでも要件から外れた場合は速やかに身体拘束を解除すること。
 
6 身体拘束によらず「代替性」を考える場合、従来の医療よりも柔軟に対応し、当該患者の意思を聞き取るために障害当事者アドボケーター(権利擁護者)によるピアカウンセリングの手法を使った聞き取りや病院訪問を積極的に受け入れること。法学的知識、人権に基づく客観的な判断を行うために弁護士を積極的に受け入れること。通常時よりこれら他職種との連携をとり、急性期での隔離・拘束に変わる代替策を確立すること。

7 上記要件を全て満たし、やむをえず身体拘束等をする場合には本人にわかりやすい十分な説明をし理解を得るとともに、当該患者の話を傾聴し最大限主体的に行える治療環境を整備すること。本人が興奮状態などで十分な説明ができない場合もできる限り丁寧に治療方針を説明し、当該患者の状態が収まり次第、再度担当医から速やかにわかりやすく説明すること。
 
8 医師を含む医療に関わる全ての職員に対し、身体拘束廃止に向けての研修を年1回以上定期的に行い、人権研修と隔離・拘束に代わる治療を研究・研修し、早急に実施に移すこと。

9 「精神保健福祉法第 21 条第 4 項の厚生労働省令で定める精神科病院の基準」に規定されている通り、行動制限最小化委員会が身体拘束を行う病院で必ず設置され、機能していることを確認するために都道府県は随時調査をすること。特に身体拘束事例の多い病院に対しては状況に応じ3ヶ月に1回など調査を厳正に行うこと。また精神医療のみならず、人権擁護の観点からも、弁護士、人権擁護団体、障害当事者団体の視察を受け入れ制限されることのないように、厚生労働省から告示すること。

10 以上を満たすために、都道府県各自治体は抜き打ちで各精神科病院に実地調査を行うことがあることを明記すること。

以上の項目について、2024年7月30日までに回答を頂けるようお願い致します。

 

精神保健福祉法附則決議に基づく身体拘束についての要望

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国立病院機構「大牟田病院」における性的虐待事案
に関する抗議声明

2024年5月10日

国立病院機構「大牟田病院」における性的虐待事案に関する抗議声明

全国自立生活センター協議会
代表 平下 耕三

 私たち、全国自立生活センター協議会(以下「本会」という。)は、どんな重度な障害があっても地域で当たり前に生活し、障害のない人と同じ権利を持ち、地域の中で共にある社会の実現を目指して活動する障害当事者団体です。全国110ケ所を越える障害当事者団体(自立生活センター)で構成しています。
 本会内部組織である人権委員会では、各地の自立生活センターと連携し、障害のある者一人ひとりの権利を守るための取り組みを通し、制度や社会の変革を通じて権利擁護活動、虐待防止ワークショップ等の普及活動。同じく本会内部組織である脱施設プロジェクトでは、入所施設等の閉鎖を目指し、自立生活支援を強化し、障害者の地域生活を実現するために、権利条約19条の履行やSDGsの目標達成に向けた取り組みです。
福岡県大牟田市にある国立病院機構「大牟田病院」における性的虐待事案に対する一連の報道について、次の通り声明を発表します。

5月1日の報道によれば、看護師、介護士あわせて 5 人の男性職員が身体に障害のある男女11名に対して、陰部を揉んだり、胸付近を触ったりする性暴力をしていたという驚愕の事案が明らかになりました。5 月 2 日に行われた病院の記者会見では、「特定されるため」等という理由で、ほとんどの情報が開示されず、大変曖昧なものでした。
私たちは障害がある者として、被害者の言葉にならない恐怖、痛み、辛苦、恥辱を思うと、心が押しつぶされる思いです。そして勇気をもってこのような事案を公にしてくださった方に深い畏敬の念を抱きます。
取り急ぎ、現在の被害者の安全が十分に確保されるために必要な対応を速やかに行ってください。ただ加害者との接触を断つだけでなく、被害者が安心を得られるよう、心身共に配慮したケアや介助を提供してください。特に女性被害者にとっては、望まない異性介助がフラッシュバックなど二次被害を生じさせる可能性も考えられます。被害者の意向を大切にし、本人の安心できる介助体制を整えてください。
また、傷ついているのは直接被害を受けた患者だけではありません。周囲の患者もショックや不安の中にいることと、他の被害者がうもれている可能性を想定し、患者全員が今日を安心して生活できるよう、迅速な対応をお願いします。
今回の虐待行為は、2022 年 9 月に国連障害者権利委員会から出された「総括所見」「脱施設化ガイドライン」にあるように、障害のある者を施設、療養病院、精神科病院等、特定の生活様式に隔離することで生じる弊害であると言わざるを得ません。また、異性による介助が慢性化している事も性暴力の原因となります。
脱施設プロジェクトで、力を入れてきた取り組みの1つ、筋ジス病棟の地域移行では、未だに病院内での地域移行の妨害行為、患者の人権を踏みにじる対応が散見されています。今回の報道も、そういった取り組みの成果であると確信しています。
また、こういった一連の事案から必要最低限の看護や介護となり、質の低下や何より患者の人権を否定した対応にならないか懸念しています。
本来、本件は犯罪としても取り扱われるべきであり、事件として障害のない人に対する取り扱いと同様の対処をするべきです。こういった点においても病院当局の「甘さ」がみられます。
国立病院機構「大牟田病院」に対し、今回の性的虐待事案に深い憤りと懸念を表明し、被害者の尊厳を守り、再発防止に全力を尽くすことを求め、下記の通り厳重に抗議します。

<大牟田病院>
1.大牟田病院は、事実の公表および処分の徹底を行ってください。
2.被害者の受けた大きな心身の傷のケアを丁寧に行うため、適切な意思決定支援を行い、ピアサポーターと共に最大限の支援を行ってください。
3.二度と虐待を起こさないために人権意識を高めるための研修を必ず行うこと。 (なお、
私たち全国自立生活センター協議会は、障害のある当事者による虐待防止 ワークショ
ップを実施していますので、研修に協力することが可能です)

<福岡県および大牟田市>
1.福岡県および大牟田市は、検察庁、警察とも連携し、事実の解明と然るべき措置を行ってください。
2.指定権者として責任をもち、早急に全国の療養型病院の入院患者に同様の被害がない
か、第三者委員会を設置し、調査を行ってください。
3.仮に重大な問題が発覚したら包み隠さず公表してください。

<厚生労働省>
1.現行の障害者虐待防止法の最大の問題点は、今回の様な病院、そして学校や保育所等について、未だに発見者の行政等への通報義務を対象外としていることです。早期に見直しを行い、被害者が真に守られる法改正を行ってください。
2.これまでの収容型障害福祉のあり方を早急に見直すため、速やかに検討会を立ち上げてください。

以上

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての抗議及び要望

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キリン福祉財団助成金事業
共生社会の実現に向けた社会調査
について

JIL加盟団体のみなさま
こんにちは。JILインクルーシブ教育プロジェクトです。
いつもインクルーシブ教育推進の活動にご協力いただきありがとうございます。

本プロジェクトでは、2022年度よりキリン福祉財団様より助成を受けて「共生社会の実現に向けた社会調査」を実施しています。
この度、インクルーシブ教育の実現に向けて課題になっていることを明らかにし、課題解決に向けた政策提言を行うことを目的に、アンケート調査を実施することとなりました。

アンケート対象者は
①障害のある方と同じ学校で過ごしていた同級生または友人(学校を卒業している18歳以上の方)
②これまでに、障害のある児童生徒を通常の学級または特別支援学級で教えていた教員
③自身が通常の学校で学んでいた障害当事者またはその保護者(学校を卒業している18歳以上の方) です。

上記に当てはまる方に、ぜひアンケートにご協力いただきたいです。
また、該当する方へのアンケートの周知もよろしくお願いいたします。

【アンケート回答方法】
下記の方法から回答しやすいものを選択してください。
①googleフォームで回答する https://forms.gle/AX8KtHDtZ1JPxPxs6
②回答内容をメールで送る office@j-il.jp
③回答内容をFAXで送る 0426-60-7746

【添付資料について】
資料は、Word、PDF、テキストファイルを準備しています。
リンクを右クリックして「名前をつけてリンクを保存」を選択してください。
①【ご案内】共生社会の実現に向けた社会調査について
②【調査実施の同意書】共生社会の実現に向けた社会調査について
③アンケート本文はアンケート回答対象者ごとに作成しています。
・同級生(Word、PDF、テキスト)
・教職員(Word、PDF、テキスト)
・本人保護者(Word、PDF、テキスト)

【回答締切】
11月30日(木)

ご不明な点がございましたら、JIL事務局までお問い合わせください。
TEL 0426-60-7747 FAX 0426-60-7746
Email  office@j-il.jp

国連障害者権利委員 ロバート・マーティンさん講演会
のご案内

 昨年、障害者権利条約の初回の建設的対話(審査)がスイスで行われ、日本政府に権利委員会から総括所見(勧告)が出されました。
 勧告の中で、地域移行とインクルーシブ教育について早急な措置が必要であることが強調されています。
このテーマについて、知的障害当事者で障害者権利委員を務めるロバート・マーティンさんを含む3カ国からゲストを招き、シンポジウムを開催することになりました。
 ニュージーランド、カナダ、スウェーデンの事例を参考に、日本で施設や家族に頼らずに地域で暮らすことの意義や可能性を学ぶ貴重な機会です。ぜひご参加ください。

テーマ:
総括所見を踏まえて脱施設を進めよう!~施設に頼らない地域をどうつくるか~
日時:2023年10月17日(火)13:30 – 16:30
会場:衆議院第二議員会館多目的会議室(対面のみ)

プログラム:

13:30 開会あいさつ / 
来賓あいさつ
14:00 基調講演 講師:サー・ロバート・マーティン(国連障害者権利委員会委員)
14:45 休憩
15:00 シンポジウム 「各国の取り組みと日本のこれからの課題」
登壇者:コリー・アール(Mr. Kory Earle、カナダ)、エミリー・ムティエン(Ms.Emily Muthén、スウェーデン)
指定発言:山田浩(ピープルファーストジャパン)
久保厚子(全国手をつなぐ育成会連合会 顧問)
コーディネーター:田中恵美子(東京家政大学教授)
コメンテーター:尾上浩二(DPI日本会議副議長)
16:30 終了
お申し込み:参加申込は、以下のURLからご確認ください。
https://x.gd/zm0rh

お問合せ先:
認定NPO法人 DPI日本会議
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
電話 03-5282-3730 ファックス 03-5282-0017
メール office●dpi-japan.org  ※●を@に置き換えて送ってください

 

国連障害者権利委員サー・ロバート・マーティンさん講演会チラシ

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選挙権の行使に関する合理的配慮提供
に関する実態調査

各位

JILユース&ニューフェイスPTでは、以下の調査依頼を、都道府県選挙管理委員会と県庁所在地選挙管理委員会へ発出しました。

なお、障害当事者へも調査をお願いしており、以下のGoogleフォームからご回答ください。

テキストファイルからご回答頂ける場合は、必要事項ご記入の上、office@j-il.jpまで、ご提出ください。

★Googleフォーム:https://forms.gle/TmRCVTBT6YVmYHE89

★回答用テキストファイル:20230907-senkyochosa

(回答期限:2023年度10月31日まで)

 

以下、選挙管理委員会宛調査依頼文書

令和5年9月7日

ご担当者 様

選挙権の行使に関する合理的配慮提供についての調査依頼

全国自立生活センター協議会(JIL)
代表  平下 耕三

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。貴職におかれましては、日頃より、障害のある有権者を含む、全ての有権者の選挙権の保障にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
障害のある当事者の選挙権の行使には、これを実現するために、合理的配慮の提供が必要となることがあります。車いすの利用者や、肢体に障害のある人、情報のやり取りに困難のある人など、選挙権を行使するためには、障害の種別を問わず、様々なニーズがあります。
選挙権の行使を支えるための、合理的配慮提供の一環として、コミュニケーションボードを用いて投票を支援する、手話通訳者を投票所に派遣する、音声版選挙公報等の送付を行う等、各自治体で様々な取り組みが行われています。
しかし、自治体ごとに合理的配慮提供の対応が異なり、障害当事者によっては、求める配慮が提供されないことによって、投票の権利を棄権した、投票所職員とのコミュニケーションが取れず誤投票をしてしまった、という事例が当会に寄せられています。
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が、平成28年4月1日より施行され、行政機関等に対して、障害のある人への障害を理由とする不当な差別的取扱いが禁止され、合理的配慮の提供が義務化されました。
当会では、選挙権の行使に関する合理的配慮の提供の実態を調査するべく、全国の選挙管理委員会を対象に、アンケート調査票を作成しましたので、提出致します。本調査票への回答は、令和5年10月31日(火)までに、文書で頂戴できますでしょうか。
障害のある人を含む、全ての有権者が安心して投票の権利を行使できるようにするため、何卒ご協力を下さいますよう、お願い申し上げます。また、選挙権の行使に関する合理的配慮の提供に関しまして、ご検討くださっていること、お悩みのことがあれば、是非とも私たちにお話をお聞かせ願いたく存じます。よりよい投票環境の実現に向けて、ご一緒に歩んでいくことができれば、幸甚に存じます。

連絡先
〒192-0046 東京都八王子市明神町4-11-11シルクヒルズ大塚1F
TEL:0426-60-7747 FAX:0426-60-7746 MAIL:office@j-il.jp

以上

 

調査票「選挙権の行使に関する合理的配慮提供について」(書面)

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海老原宏美基金、2023年度助成事業を募集中です

2023_海老原宏美基金募集要項

海老原宏美基金
助成のご案内

2023年度
第1回
申請期間:2023年4月5日水曜日、から、5月12日金曜日
交付予定:2023年6月下旬予定
助成対象期間:2023年4月1日、から、2024年3月31日

1. 助成の趣旨
本助成は、海老原宏美さんの遺志を受け継ぎ、社会変革のための活動に取り組む個人・団体に対して、必要な助成を行い、応援することを通して、誰もが「自分を生きる」ことができるインクルーシブな社会を実現することを目的とします。

2、助成の対象
2の1:対象者
上記の目的の実現に取り組む個人・団体を対象とします。団体の場合、法人格の有無、活動年数、人数は問いません。

2の2:対象となる活動
以下の3つの分野にかかわる活動を助成します。

(1)障害種別をこえた若手障害者の育成と自立支援
社会課題の変革に、志を持って活動する若手障害者の育成に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、障害種別をこえた当事者の地域自立生活の実現に寄与する活動
イ、医療的ケアを必要とする当事者の地域自立生活の実現に寄与する活動
ウ、若手障害者へ研修・学習機会を提供する活動
エ、制度情報の資料作成および地域自立生活に関する調査・研究・出版

(2)インクルーシブ教育の普及・促進
障害者権利条約に基づくインクルーシブ教育の普及・促進に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、インクルーシブ教育の普及のための研修・学習機会を提供する活動
イ、インクルーシブ教育の普及のための教材・資料を作成する活動
ウ、障害の有無をこえた居場所・遊び場を提供する活動
エ、インクルーシブ教育に関する調査・研究・出版

(3)“自分らしさ”に伴走する介助者の育成
当事者の“自分らしさ”を支え、伴走する介助者の育成に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、介助者を対象とした介助に関する研修・学習機会を提供する活動
イ、当事者を対象とした介助に関する研修・学習機会を提供する活動
ウ、制度的な支援が未整備の分野への新規事業の開拓に向けた活動
エ、介助者の生き方・生活保障等に関する調査・研究・出版

2の3:対象となる経費
上記の活動を実施するために必要な次の経費を助成します。
旅費交通費、備品費、消耗品費、印刷製本費、通信費、会場費、人件費、謝金、その他必要と認められる経費。

2の4:助成の対象とならないもの
(1)他の団体等から助成を受け、既に資金が充足している場合
(2)経費の証明ができない場合
(3)政治活動、宗教活動を主たる目的とした活動と判断される場合
(4)犯罪行為につながる活動と判断される場合
(5)助成対象者自身の意思に基づかない内容と判断される場合
(6)事業に直接のかかわりがない個人的な経費、水道光熱費等の経常経費

3、助成金額
1件あたり30万円を上限に、審査によって金額を決定します。

4、申請期間
2023年4月5日水曜日、から、2023年5月12日金曜日

5、助成対象となる活動期間
2023年4月1日土曜日、から、2024年3月31日日曜日
※原則として単年度の助成です。
※6月中旬に交付決定、6月下旬に交付を予定しています。

6、申請方法
「海老原宏美基金、申請書」に必要事項を記入のうえ、海老原宏美基金事務局あてにメールで提出してください。郵送での提出を希望される場合は、別途、事務局にご相談ください。

・提出書類
(1)海老原宏美基金、申請書(推薦者の氏名、連絡先を明記)
(2)活動の様子がわかる資料

・申請書
申請書は、本基金のホームページから、ダウンロードしてください。
https://www.ebifund.org/

7、選考基準・方法
7の1:海老原宏美基金、選考委員会
海老原宏美基金選考委員会が選考します。

選考委員
田渕規子(自立生活センター・東大和/委員長)
小田政利(自立生活センター・北/副委員長)
工藤登志子(自立生活センターSTEPえどがわ)
田中海之(合同会社・ボアソルチ)
玉木幸則(一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク代表理事)
宮澤弘道(東京都公立小学校教員、季刊・福祉労働編集委員)
山田康子(介護事業所管理者、介助者)

7の2:選考基準
以下の5つの基準から評価します。
(1)パッション:目的に対して情熱を持ち、対象者本人が活動を楽しめているか。
(2)草の根性:制度化されていない事業でありながら、広く市民のためになっているか。
(3)価値転換性:発想が革新的で、新しい価値観・考え方を社会にもたらすか。
(4)社会変革性:社会の根本的な問題を見極め、諸制度を変革していくことができるか。
(5)実現性・持続可能性:事業の目的・計画が明確で資金計画に合理性・継続性があるか。

7の3:選考方法
(1)書面審査と面接審査によって選考します。
(2)面接審査について
日にち:2023年5月27日(土)・28日(日) ※いずれか一日
場所:江東区文化センター(東京都江東区東陽4-11-3)
-東京メトロ東西線 東陽町駅 1番出口(エレベーター)より徒歩5分
形態:原則対面、遠方の方や事情のある方はオンライン
詳細:申請状況をみてご連絡します。

7の4:結果通知等
結果は、決定後すみやかに申請者あてにメールで通知します。なお、助成先一覧は、本基金のサイトに掲載いたします。
採否の理由についてのお問い合わせには、回答いたしかねますのでご了承ください。

8、活動の報告および、精算
(1)契約書の提出
選考の結果、助成対象となられた場合は、本基金の「契約書」を提出していただきます。
(2)事業報告の提出
事業実施後は、1か月以内に収支等の事業報告を行っていただきます。領収書等の証憑書類も提出していただきます。
(3)活動報告会
事業終了後に、助成対象者による活動報告会を開催します。ご出席いただき、事業の報告にご協力いただきますよう、お願いいたします。

9、助成金の返還請求
次の(1)から(3)に該当する場合、状況、理由を確認のうえ、助成金の返還を請求させていただく場合があります。
(1)申請された活動内容の一部または全部が履行されなかった場合。
(2)活動の報告が、本基金が定める期日までになされなかった場合。
(3)申請された活動内容に必要な経費以外の目的で助成金が使用されたと判断される場合。

10、個人情報の取り扱いについて
(1)個人情報は利用目的の範囲内で、かつ事業実施上必要な限度内で利用いたします。
(2)法令等の定める場合を除き、事前に本人の同意を得ることなく個人情報を第三者に提供いたしません。

11、申請先
海老原宏美基金事務局
メール:info@ebifund.org

※郵送をご希望する方はお問い合わせください。
〒207-0014 東京都東大和市南街1-22-6シティコート南街
NPO法人自立生活センター・東大和

12、助成に関するお問い合わせ先
メール:info@ebifund.org
電話:03-6666-7506(運営委員:本間) ※平日9:00から17:00
ホームページ:https://www.ebifund.org/

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての
抗議及び要望

東京都知事 小池 百合子 殿

全国自立生活センター協議会
東京都八王子市明神町4-11-11シルクヒルズ大塚1F
代表 平下耕三
精神障害プロジェクト一同

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての抗議及び要望

 私たちは全国120か所にある、障害者の権利擁護と地域での自立生活を実現する「自立生活センター」の集まりです。私たちは障害の種別を問わず、人として尊厳をもって地域で自立生活することをサポートし、また地域社会の変革に取り組んでいます。2023年2月15日のマスコミ報道で、昨年4月に滝山病院の看護師が患者に暴行をはたらいた容疑で警察に逮捕される事件が発覚しました。患者を支援する代理人弁護士の2月17日の記者会見によると、「患者約10人から、虐待を受けたとか退院したいとの相談があった」「院内で記録された映像や音声などを分析したところ少なくとも10人以上の職員が暴行や暴言などの虐待行為を行った可能性がある」「被害にあった患者は少なくとも20名になる」と指摘されています。音声データには「もっと本気で行くぞ。腕の骨折るぞ」などの録音もされ、面会時に弁護士に泣きながら「連れて帰ってほしい」と訴えた患者もいたと言います。そして更に、2月25日にNHKで放送されたETV特集「ルポ 死亡退院 ~精神医療・闇の実態~」で明るみにされた内容はあまりにも衝撃的でした。滝山病院は以前から死亡退院者の割合が多いことで知られ、東京都の2022年の6月の実地調査では「国から求められている看護師らを対象にした虐待や人権に関する研修を、十分に行っていない」と口頭指導を受けていると聞きます。私たちは障害当事者として激しい怒りと憤り、深い悲しみを抑えることができません。病院内の虐待を見過ごし、人権侵害を放置した管理者と病院の責任を追求するとともに、患者の人権を軽視した病院運営と現場の人権意識の乏しさに厳重に抗議し、放送されたような実態が真実であれば、滝山病院の解体と廃業を強く求めます。東京都としてもこのような現状が実態としてあることに対し、対処していただきたいと思い、以下をお願いしたいと思います。

 

要望

①滝山病院に入院中のすべての患者に精神的なケアを行い、退院・転院希望の調査をし、希望者に対する退院・転院を滞りなく進めてください。NHKで放送された内容をみると、時には床ずれを深部組織が見えるほど放置し悪化させていました。精神科病院であっても、すべての入院患者の健康状態を把握し、ほかの疾患がみつかれば適切な治療につなげるよう、徹底させてください。

②都に透析等の身体的医療行為ができる精神科病院が限られ、ICUがある病院は滝山病院しかないという状況です。これでは自治体や他の精神科病院も滝山病院を最後の砦として患者を送り出すしかありません。短期的には精神科病院における透析、ICU等身体的医療行為ができる病院を増やし、各病院で対応できるようにしてください。

③将来的には単科精神科は廃止し総合病院に入れるなど、精神疾患を持ったものが社会から隔離され、孤立し、身体的治療が行われない病院がなくなるようにしてください。

④滝山病院管理者、経営者は都の口頭指導を受けていたにも関わらず放置し、このような事件を起こしました。都が2月に行った臨時の立ち入り検査の結果を全て記録・公表し、あらたに調査委員会を立ち上げ、実態を明らかにした上で、滝山病院への責任追及と業務停止命令などの措置を講じてください。調査委員会を立ち上げる際は精神障害当事者も委員に入れ、当事者の声を反映させてください。

⑤病院が患者の通信及び面会の自由に制限をかけないように指導・監督してください。NHKの放送では、弁護士との面会は患者の権利であるのに、実際患者が面会をすると、後から暴言・暴力を加えられていました。また、手紙が投函されずにカルテに挟まれていた患者もいました。
現場の医師・看護師のみならず病院管理者、経営者を含めたすべての人に、改めて人権教育・研修を直ちに行うよう指導し、2度とこのような事件が起こらないようにしてください。都の他の病院にも同じようなことがないように人権教育・研修を制度化してください。
虐待を受けた患者のみならず、内部通報者が不当な取り扱い、不利益を被ることのないよう都独自の対策を講じ、その対策を公表してください。

⑥滝山病院は外来診療もソーシャルワーカーの配置もほとんど無いと聞きます。地域から隔絶された環境は虐待の温床になります。都内に他にも地域に開かれていない病院がないかチェックしてください。医療従事者の学生の臨床実習を受け入れている病院を公開したりして風通しの良い病院を評価するようにしてください。

⑦都内の精神科病院で長期入院されている方の入院期間をいたずらに延ばさずに直ぐにでも地域で生活出来るようにしてください。入院し治療を受け、回復すれば地域にもどる、医療を受けられるように実効性のある地域移行の方策を精神障害当事者と一緒に考えてください。また当事者団体の職員、ピアサポーター、弁護士、支援者などの訪問を常に受け入れ、開かれた病院になるようにすべての精神科病院に通知してください。

⑧毎年の630調査以外に都独自の実地調査を都内のすべての精神科病院で行なってください。報道では元病院関係者のインタビューから、滝山病院では毎回、実地調査の際に拘束具が外され、隠されていたと証言がありました。実地指導を行う際、抜き打ち調査を含め行なってください。また入院患者の人権に関わる身体拘束、虐待、ハラスメントなどの状況を把握するために、都への直通電話を設置すると共に、少なくとも3ヶ月に1回は患者への聞き取り調査を行える体制を作り、病院の実態を漏らすことなく把握できるよう、調査方法を見直してください。

⑨都内の全ての精神科病院に対し、インフォームドコンセントの徹底を通知すると共に、オープンダイヤローグなど治療方針の決定には患者を入れた場を推進してください。その場に支援者や弁護士などが同席できるようにして下さい。

⑩今回の滝山病院の朝倉医院長は旧朝倉病院で40名の不審死や患者への人権を無視した医療行為などを行い一度保険医の資格が停止していました。しかし5年経過以降に再申請を行い、再び保険医として滝山病院の医院長となっていました。朝倉医院長は無期限に精神保健指定医・保険医の失効と医師免許の停止を厚生労働省に求めてください。また虐待・不審死など重大な問題を起こした医師は二度と精神保健指定医、保険医、医師免許の資格が復活することのないような規定に変更するよう厚生労働省に対し求めてください。

⑪都として、精神科特例が虐待の大きな一因であることを理解し、各精神科病院に精神科特例以上の人員を配置するよう推奨し、厚生労働省に対しては精神科特例の廃止を進言してください。

⑫都として地域移行が確実に行われるよう何年以内に何人など人数の目標を具体的にたててください。また虐待0、身体拘束0、隔離0、社会的入院者0という目標を明確に打ち立ててください。

以上

 

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての抗議及び要望

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ジュディ・ヒューマンさんを偲んで

アメリカの障害者の権利運動家ジュディ・ヒューマンが3月4日にお亡くなりになりました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
アメリカのバイデン大統領より声明が出されましたので掲載し以下に当会役員のメッセージを記させていただきます。

バイデン大統領の声明

ジュディ・ヒューマンは、アメリカの障害者権利のための先駆者であり、車いすの戦士でした。車いすを使っているため幼稚園に入れないと校長に言われた時から、ジュディは残りの人生を障害者が本来持っている尊厳のために戦うことに捧げました。 彼女の勇気と激しい擁護の結果、リハビリテーション法、障害者教育法、障害者自立支援法という、障害者の教育、職場、住宅などへのアクセスを向上させる画期的な成果が生まれました。また、ジュディは2つの大統領府で指導的な役割を果たし、複数の障害者支援団体を立ち上げ、現在も国内外の人々に恩恵を与えています。 ジュディとは長い付き合いです。私が副大統領だったとき、ホワイトハウスで一緒に会議を開き、差別や放置されている人々の障壁を取り除くための継続的な取り組みについて話し合いました。彼女の遺産は、私の政権にいる多くの有能な障害者公務員を含む、すべてのアメリカ人にインスピレーションを与えています。 Jillと私は、Judyの夫であるJorge Pinedaとその家族全員に深い哀悼の意を表します。

 


ジュディ、ありがとう。

JIL顧問 中西正司

ヒューマンケア協会の立ち上げを間近に控えた、1986年の1月に、米国の自立生活センターを訪問することとなった私は、当時ダスキンの障害者リーダー養成研修を終えてカリフォルニアのバークレーにいた樋口恵子さんの紹介を受けて、ジュディ・ヒューマンと出会いました。ジュディは、全米各地のセンターのどこを訪問して、誰に会うといいのか、と私の訪米プログラムをコーディネートしてくれ、リーダーたちと繋げてくれました。各地での訪問を終えて、バークレーのジュディのところへ戻って、研修の成果を報告しました。彼女は、私を暖かく迎えてくれて、家に泊めてくれました。私の報告を聞きながら、とても適切な質問とアドバイスをくれたことを覚えています。
このことが縁で、ヒューマンケア協会を立ち上げて2年後の1988年に、日本でピアカン集中講座を開催し、ジュディに講師として来てもらいました。80人を超える参加者が全国から来て、三日間の講座を受講して、とても有意義な時間でした。
その後も、国際障害者年のイベントや、DPI世界会議札幌大会、ブラジルへの訪問など、ジュディとは何度も一緒に仕事をしました。
プライベートでも、ジュディとは、私の妻の由起子も親しく付き合っていました。彼女は日本料理が好きで、てんぷら屋さんに行ったり、すき焼きを一緒に作ったりしました。おいしいと言ってよく食べていたものです。日本に来た時に、一緒に新幹線に乗って移動していた時は、新幹線の乗り換え中に駅売店でいろいろなポッキーを物色していたことなど、日本のお菓子も好きでした。
アメリカを訪問した時に、ジュディが繋いでくれたリーダーの中でも、セントルイスの自立生活センターであるパラクオッドの、私と同じく頚損のマックス・スタークロフとパートナーのコリーンとは特に仲良くなりました。ジュディが危篤の時に、コリーンはすぐに病院へ行きました。ジュディの意識がなくなりかかった時に、コリーンから、「今ならまだ彼女の心に話しかけられるから」といって、私と由起子にメールをくれました。この連絡が日本時間の未明であり、翌朝に確認したため間に合わず、とても残念に思います。
ジュディは、教員になりたかったけれど、教育委員会から教員免許を与えることを阻止されました。彼女は裁判に訴えて勝利し、車いすに乗った、州で最初の教師となりました。このエピソードからも、彼女の権利意識の高さがわかります。日本ではこの点が少し弱いですが、交通アクセスや介助派遣など、障害者が地域で生活をできるように活動していくことを、自立生活センターの役割として訴えてきました。日本には施設入所者がまだ多いので、これらを解消するためのサポートをきちんとやっていくように、ということで、若い障害者の自立促進に努めるようにジュディには言われました。
ジュディも、マックスもコリーンも、私がILを引き継いでくれたという気持ちが強かったようで、何かあればいつも連絡をくれて、相談をし合っていました。
ジュディ、ありがとう。


インクルーシブを体現した愛深き人ジュディを偲んで

JIL副代表 今村登


2013年に盛上さんの紹介で佐藤くんがヨシコ・ダート(YD)さんに会いに渡米し、ADAの父と称されるジャスティン・ダートさんのことや、アメリカの障害者運動のことについてじっくり話を聞いて来た。YDの話に魅了された佐藤くんは、翌年に仲間を連れて再度訪米するのでその際に色んなリーダーを紹介してもらうことを約束し、帰国後平下くんと私に声をかけてくれた。

しかしその直後にDPIの事務局長に就任することになった佐藤くんは、どうしても仕事の関係で日程が取れず、2014年は平下くんと私、そして若手の近藤くんで渡米し、盛上さんとYDにご紹介いただいたリーダー達に面会した。
この時のミッションは、色んなリーダー達に会い、日米の障害当事者同士の繋がりを強化(再構築)すること。そして、翌年(2015年)にワシントンDCで行われるADA25に日本からも参加させてもらう許可と協力を得ることだった。
最初シカゴでマーカに面会したことを皮切りに短期間で複数のリーダーたちに会い、最後はDCでジュディに会った。
すでに多くのリーダー達に会い、「よく来てくれた」と歓迎され続け、ジュディに至ってはご自宅に招待され「えっ、あのジュディ・ヒューマンの自宅に行けちゃうの?」っていい気になっていたが、その時私達はジュディに叱られた。
「あなた達、なんで男ばかりなの?来年は女性もいなきゃダメよ!」
お恥ずかしいながら、それまで「ジェンダーバランス」という視点が抜けていたことにハッとさせられた。
こうして、ADA25は多くの若手の女性リーダー達に声をかけることになり、介助者を含み総勢約60名もの大所帯で真夏のワシントンDCに向かったのだった。
その時参加してくれた若手の人達が主となりADA27を企画実行し、グローバルILサミットも盛り上がりWorld Independent Living Center Network(WIN)が発足した。
ADA25、27に参加した若手リーダー達が今、男女共に全国各地で運動の主軸を担っている。
特に女性陣の躍動は素晴らしい。
あの時ジュディに叱られていなければ、未だ日本のIL運動はジェンダーバランスという視点、意識が欠け続けていたかもしれない。
ユダヤ人で、祖父母はホロコーストに遭い、自身は障害故に入学を拒否され、教員になることを拒否され、社会からのあらゆる拒否、排除にあっても、常に仲間と共に立ち向かい道を切り開き続けてきたジュディ。
「障害者運動・ADAの母」とも称されるジュディは、アメリカの公民権運動、女性解放運動を参考に障害者運動を牽引してきたという。
さらに世界各国に足を運び様々な差別を目の当たりにしてきた彼女の視点は、障害種別やジェンダーだけでなく、国や人種、言語、宗教、年齢、職業あるいは地位などの違いをもろともせず、誰とでも分け隔てなく、常に気さくで優しさと厳しさを持った愛情深いものだった。
WINが発足した2017年のグローバルILサミットの会場に私は居られなかった。
前年の2016年に起きた相模原障害者殺傷事件から1年後の追悼集会を担当していたため、遅れて渡米したからだ。
DCでジュディに再会した時、「あなたどうしてたのよ?姿見ないから心配して、ずっと探していたわよ!」と駆け寄ってきてくれて、理由を話すと
ギュッとハグしてくれたことを昨日のように思い出す。
彼女のことだから、今頃はJDやマーカ等、多くのリーダー達との再会を楽しんでいるだろう。
私もやがてその輪に胸を張って加われるよう(胸張れなくてもジュディのことだから排除しないだろうけど)、残りの人生、しっかり生きていこう。
「明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい」ってことだな。
ジュディに出会えたことと功績に心から感謝し、ご冥福をお祈りいたします。