ピアカウンセリングとは

ピアカウンセリングとは

ピアカウンセリングは1970年代初め、アメリカで始まった自立生活運動の中でスタートしました。自立生活運動は、障害を持つ当事者自身が自己決定権や自己選択権を育てあい、支えあって、隔離されることなく、平等に社会参加していくことを目指しています。ピア・カウンセリングとは、自立生活運動における仲間(ピア)への基本姿勢のようなものです。

ピアカウンセリングでは、お互いに平等な立場で話を聞き合い、きめ細かなサポートによって、地域での自立生活を実現する手助けをします。

ピアカウンセリングの役割には、大きくわけると2つの側面があります。

●精神的サポート 「ありのままのあなたでいいよ」というメッセージ。お互いを尊重しあう。

  • 自己信頼を回復するためのサポート
  • 権利擁護、意識確立のサポート
  • 施設や親元から独立するためのサポート
  • 性やセクシャリティについての悩みに対するサポート
  • その他対人関係等、自立生活全般に必要な精神的サポート

●自立のための情報提供

  • 住宅探し、情報提供と改造等の相談
  • 所得保障に関する相談、情報提供
  • 仕事、職業に関する相談、情報提供
  • 介助に関するさまざまな情報提供
  • 余暇・旅行・レジャー情報提供
  • その他、自立生活に関する全般的情報提供および相談

以上のような相談に応じる障害者を、ピア・カウンセラーと呼んでいます。JILが提唱するピア・カウンセラーは、単なるアドバイザーではありません。当事者のことをもっともよく理解しているのは、その人自身であるという人間信頼、自己信頼にのっとった立場に立ちます。平等に、対等に、力と時間をつかい、自立生活の実現のサポートをします。

講座の開催

ピアカウンセリング(広い意味での)は、次の①と②の要素から成ります。

  1. 心や精神面のサポート(いわゆるピアカン)
  2. 情報提供・トレーニング(自立生活プログラム)

各センターでは、ピアカウンセリングへの理解を深めたり体得するための講座を開催しています。また、自立生活に必要な心構えや技術を学ぶ、自立生活プログラム講座も開催しています。

詳しくはピアカウンセリング講座についてと自立生活プログラムとはをご覧下さい。

関連書籍

JIL事務局では、ピアカウンセリングや自立立生活プログラムの書籍を取り扱っております。
詳しくはこちらにてお知らせしております。

ピア・カウンセリング講座について

ピア・カウンセリング講座は、単に用語や技術を憶えてもらうものではありません。ピア・カウンセリングを日常に取り入れ、何度となく体験することで、ピア・カウンセラーとしての感覚を磨いていくことが大変重要になります。

ですから、講座を受ければいいというものではなく、いかに「自分の生活にピア・カウンセリングを取りこみ、自身の生活を豊かにしていくか」という視点が必要です。

自立生活センターでは、以下のような、講座を開催しています。

公開講座

公開講座は、ピア・カウンセリングを体験していただくための講座です。1日形式が多く、障害者と健常者の両方を対象にすることもあります。日程はこちらから。

集中講座

集中講座は主に各地の自立生活センターが主催して2泊3日形式で行われます。障害者が対象です。ピア・カウンセリングとは何か、大枠を知りたい人向けの講座です。

  • 参加者の関係づくり、ピア・カウンセリングの理論と講義
  • セッション、シンク アンド リッスン
  • ロールプレイ、情報提供

講座の日程については、こちらにてお知らせしています。

長期講座

いくつか形式がありますが、主に毎週1回13週に渡って受けていただく形式が多いです。集中講座と同じように障害者が対象です。ピア・カウンセリングへの理解と実践力を深める講座です。

  • 講義、セッション、デモンストレーションを中心に全参加者が聴くこと、カウンセラーとクライエントの体験を重ね、自分自身の感情の解放、パターンや抑圧からの解放を行う。
  • 自立生活センターについて、自立生活プログラム、自己主張トレーニングを取り入れ、ピア・カウンセラーとしての力量をつける

こちらも主催は各地の自立生活センターで、講座の日程をこちらにてお知らせしています。

その他の講座

その他にも各センターでピアカンに関する講座が独自に開催されています。日程はこちらから。