Monthly Archives: 4月 2023

海老原宏美基金、2023年度助成事業を募集中です

2023_海老原宏美基金募集要項

海老原宏美基金
助成のご案内

2023年度
第1回
申請期間:2023年4月5日水曜日、から、5月12日金曜日
交付予定:2023年6月下旬予定
助成対象期間:2023年4月1日、から、2024年3月31日

1. 助成の趣旨
本助成は、海老原宏美さんの遺志を受け継ぎ、社会変革のための活動に取り組む個人・団体に対して、必要な助成を行い、応援することを通して、誰もが「自分を生きる」ことができるインクルーシブな社会を実現することを目的とします。

2、助成の対象
2の1:対象者
上記の目的の実現に取り組む個人・団体を対象とします。団体の場合、法人格の有無、活動年数、人数は問いません。

2の2:対象となる活動
以下の3つの分野にかかわる活動を助成します。

(1)障害種別をこえた若手障害者の育成と自立支援
社会課題の変革に、志を持って活動する若手障害者の育成に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、障害種別をこえた当事者の地域自立生活の実現に寄与する活動
イ、医療的ケアを必要とする当事者の地域自立生活の実現に寄与する活動
ウ、若手障害者へ研修・学習機会を提供する活動
エ、制度情報の資料作成および地域自立生活に関する調査・研究・出版

(2)インクルーシブ教育の普及・促進
障害者権利条約に基づくインクルーシブ教育の普及・促進に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、インクルーシブ教育の普及のための研修・学習機会を提供する活動
イ、インクルーシブ教育の普及のための教材・資料を作成する活動
ウ、障害の有無をこえた居場所・遊び場を提供する活動
エ、インクルーシブ教育に関する調査・研究・出版

(3)“自分らしさ”に伴走する介助者の育成
当事者の“自分らしさ”を支え、伴走する介助者の育成に取り組む活動に助成します。

実践例
ア、介助者を対象とした介助に関する研修・学習機会を提供する活動
イ、当事者を対象とした介助に関する研修・学習機会を提供する活動
ウ、制度的な支援が未整備の分野への新規事業の開拓に向けた活動
エ、介助者の生き方・生活保障等に関する調査・研究・出版

2の3:対象となる経費
上記の活動を実施するために必要な次の経費を助成します。
旅費交通費、備品費、消耗品費、印刷製本費、通信費、会場費、人件費、謝金、その他必要と認められる経費。

2の4:助成の対象とならないもの
(1)他の団体等から助成を受け、既に資金が充足している場合
(2)経費の証明ができない場合
(3)政治活動、宗教活動を主たる目的とした活動と判断される場合
(4)犯罪行為につながる活動と判断される場合
(5)助成対象者自身の意思に基づかない内容と判断される場合
(6)事業に直接のかかわりがない個人的な経費、水道光熱費等の経常経費

3、助成金額
1件あたり30万円を上限に、審査によって金額を決定します。

4、申請期間
2023年4月5日水曜日、から、2023年5月12日金曜日

5、助成対象となる活動期間
2023年4月1日土曜日、から、2024年3月31日日曜日
※原則として単年度の助成です。
※6月中旬に交付決定、6月下旬に交付を予定しています。

6、申請方法
「海老原宏美基金、申請書」に必要事項を記入のうえ、海老原宏美基金事務局あてにメールで提出してください。郵送での提出を希望される場合は、別途、事務局にご相談ください。

・提出書類
(1)海老原宏美基金、申請書(推薦者の氏名、連絡先を明記)
(2)活動の様子がわかる資料

・申請書
申請書は、本基金のホームページから、ダウンロードしてください。
https://www.ebifund.org/

7、選考基準・方法
7の1:海老原宏美基金、選考委員会
海老原宏美基金選考委員会が選考します。

選考委員
田渕規子(自立生活センター・東大和/委員長)
小田政利(自立生活センター・北/副委員長)
工藤登志子(自立生活センターSTEPえどがわ)
田中海之(合同会社・ボアソルチ)
玉木幸則(一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク代表理事)
宮澤弘道(東京都公立小学校教員、季刊・福祉労働編集委員)
山田康子(介護事業所管理者、介助者)

7の2:選考基準
以下の5つの基準から評価します。
(1)パッション:目的に対して情熱を持ち、対象者本人が活動を楽しめているか。
(2)草の根性:制度化されていない事業でありながら、広く市民のためになっているか。
(3)価値転換性:発想が革新的で、新しい価値観・考え方を社会にもたらすか。
(4)社会変革性:社会の根本的な問題を見極め、諸制度を変革していくことができるか。
(5)実現性・持続可能性:事業の目的・計画が明確で資金計画に合理性・継続性があるか。

7の3:選考方法
(1)書面審査と面接審査によって選考します。
(2)面接審査について
日にち:2023年5月27日(土)・28日(日) ※いずれか一日
場所:江東区文化センター(東京都江東区東陽4-11-3)
-東京メトロ東西線 東陽町駅 1番出口(エレベーター)より徒歩5分
形態:原則対面、遠方の方や事情のある方はオンライン
詳細:申請状況をみてご連絡します。

7の4:結果通知等
結果は、決定後すみやかに申請者あてにメールで通知します。なお、助成先一覧は、本基金のサイトに掲載いたします。
採否の理由についてのお問い合わせには、回答いたしかねますのでご了承ください。

8、活動の報告および、精算
(1)契約書の提出
選考の結果、助成対象となられた場合は、本基金の「契約書」を提出していただきます。
(2)事業報告の提出
事業実施後は、1か月以内に収支等の事業報告を行っていただきます。領収書等の証憑書類も提出していただきます。
(3)活動報告会
事業終了後に、助成対象者による活動報告会を開催します。ご出席いただき、事業の報告にご協力いただきますよう、お願いいたします。

9、助成金の返還請求
次の(1)から(3)に該当する場合、状況、理由を確認のうえ、助成金の返還を請求させていただく場合があります。
(1)申請された活動内容の一部または全部が履行されなかった場合。
(2)活動の報告が、本基金が定める期日までになされなかった場合。
(3)申請された活動内容に必要な経費以外の目的で助成金が使用されたと判断される場合。

10、個人情報の取り扱いについて
(1)個人情報は利用目的の範囲内で、かつ事業実施上必要な限度内で利用いたします。
(2)法令等の定める場合を除き、事前に本人の同意を得ることなく個人情報を第三者に提供いたしません。

11、申請先
海老原宏美基金事務局
メール:info@ebifund.org

※郵送をご希望する方はお問い合わせください。
〒207-0014 東京都東大和市南街1-22-6シティコート南街
NPO法人自立生活センター・東大和

12、助成に関するお問い合わせ先
メール:info@ebifund.org
電話:03-6666-7506(運営委員:本間) ※平日9:00から17:00
ホームページ:https://www.ebifund.org/

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての
抗議及び要望

東京都知事 小池 百合子 殿

全国自立生活センター協議会
東京都八王子市明神町4-11-11シルクヒルズ大塚1F
代表 平下耕三
精神障害プロジェクト一同

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての抗議及び要望

 私たちは全国120か所にある、障害者の権利擁護と地域での自立生活を実現する「自立生活センター」の集まりです。私たちは障害の種別を問わず、人として尊厳をもって地域で自立生活することをサポートし、また地域社会の変革に取り組んでいます。2023年2月15日のマスコミ報道で、昨年4月に滝山病院の看護師が患者に暴行をはたらいた容疑で警察に逮捕される事件が発覚しました。患者を支援する代理人弁護士の2月17日の記者会見によると、「患者約10人から、虐待を受けたとか退院したいとの相談があった」「院内で記録された映像や音声などを分析したところ少なくとも10人以上の職員が暴行や暴言などの虐待行為を行った可能性がある」「被害にあった患者は少なくとも20名になる」と指摘されています。音声データには「もっと本気で行くぞ。腕の骨折るぞ」などの録音もされ、面会時に弁護士に泣きながら「連れて帰ってほしい」と訴えた患者もいたと言います。そして更に、2月25日にNHKで放送されたETV特集「ルポ 死亡退院 ~精神医療・闇の実態~」で明るみにされた内容はあまりにも衝撃的でした。滝山病院は以前から死亡退院者の割合が多いことで知られ、東京都の2022年の6月の実地調査では「国から求められている看護師らを対象にした虐待や人権に関する研修を、十分に行っていない」と口頭指導を受けていると聞きます。私たちは障害当事者として激しい怒りと憤り、深い悲しみを抑えることができません。病院内の虐待を見過ごし、人権侵害を放置した管理者と病院の責任を追求するとともに、患者の人権を軽視した病院運営と現場の人権意識の乏しさに厳重に抗議し、放送されたような実態が真実であれば、滝山病院の解体と廃業を強く求めます。東京都としてもこのような現状が実態としてあることに対し、対処していただきたいと思い、以下をお願いしたいと思います。

 

要望

①滝山病院に入院中のすべての患者に精神的なケアを行い、退院・転院希望の調査をし、希望者に対する退院・転院を滞りなく進めてください。NHKで放送された内容をみると、時には床ずれを深部組織が見えるほど放置し悪化させていました。精神科病院であっても、すべての入院患者の健康状態を把握し、ほかの疾患がみつかれば適切な治療につなげるよう、徹底させてください。

②都に透析等の身体的医療行為ができる精神科病院が限られ、ICUがある病院は滝山病院しかないという状況です。これでは自治体や他の精神科病院も滝山病院を最後の砦として患者を送り出すしかありません。短期的には精神科病院における透析、ICU等身体的医療行為ができる病院を増やし、各病院で対応できるようにしてください。

③将来的には単科精神科は廃止し総合病院に入れるなど、精神疾患を持ったものが社会から隔離され、孤立し、身体的治療が行われない病院がなくなるようにしてください。

④滝山病院管理者、経営者は都の口頭指導を受けていたにも関わらず放置し、このような事件を起こしました。都が2月に行った臨時の立ち入り検査の結果を全て記録・公表し、あらたに調査委員会を立ち上げ、実態を明らかにした上で、滝山病院への責任追及と業務停止命令などの措置を講じてください。調査委員会を立ち上げる際は精神障害当事者も委員に入れ、当事者の声を反映させてください。

⑤病院が患者の通信及び面会の自由に制限をかけないように指導・監督してください。NHKの放送では、弁護士との面会は患者の権利であるのに、実際患者が面会をすると、後から暴言・暴力を加えられていました。また、手紙が投函されずにカルテに挟まれていた患者もいました。
現場の医師・看護師のみならず病院管理者、経営者を含めたすべての人に、改めて人権教育・研修を直ちに行うよう指導し、2度とこのような事件が起こらないようにしてください。都の他の病院にも同じようなことがないように人権教育・研修を制度化してください。
虐待を受けた患者のみならず、内部通報者が不当な取り扱い、不利益を被ることのないよう都独自の対策を講じ、その対策を公表してください。

⑥滝山病院は外来診療もソーシャルワーカーの配置もほとんど無いと聞きます。地域から隔絶された環境は虐待の温床になります。都内に他にも地域に開かれていない病院がないかチェックしてください。医療従事者の学生の臨床実習を受け入れている病院を公開したりして風通しの良い病院を評価するようにしてください。

⑦都内の精神科病院で長期入院されている方の入院期間をいたずらに延ばさずに直ぐにでも地域で生活出来るようにしてください。入院し治療を受け、回復すれば地域にもどる、医療を受けられるように実効性のある地域移行の方策を精神障害当事者と一緒に考えてください。また当事者団体の職員、ピアサポーター、弁護士、支援者などの訪問を常に受け入れ、開かれた病院になるようにすべての精神科病院に通知してください。

⑧毎年の630調査以外に都独自の実地調査を都内のすべての精神科病院で行なってください。報道では元病院関係者のインタビューから、滝山病院では毎回、実地調査の際に拘束具が外され、隠されていたと証言がありました。実地指導を行う際、抜き打ち調査を含め行なってください。また入院患者の人権に関わる身体拘束、虐待、ハラスメントなどの状況を把握するために、都への直通電話を設置すると共に、少なくとも3ヶ月に1回は患者への聞き取り調査を行える体制を作り、病院の実態を漏らすことなく把握できるよう、調査方法を見直してください。

⑨都内の全ての精神科病院に対し、インフォームドコンセントの徹底を通知すると共に、オープンダイヤローグなど治療方針の決定には患者を入れた場を推進してください。その場に支援者や弁護士などが同席できるようにして下さい。

⑩今回の滝山病院の朝倉医院長は旧朝倉病院で40名の不審死や患者への人権を無視した医療行為などを行い一度保険医の資格が停止していました。しかし5年経過以降に再申請を行い、再び保険医として滝山病院の医院長となっていました。朝倉医院長は無期限に精神保健指定医・保険医の失効と医師免許の停止を厚生労働省に求めてください。また虐待・不審死など重大な問題を起こした医師は二度と精神保健指定医、保険医、医師免許の資格が復活することのないような規定に変更するよう厚生労働省に対し求めてください。

⑪都として、精神科特例が虐待の大きな一因であることを理解し、各精神科病院に精神科特例以上の人員を配置するよう推奨し、厚生労働省に対しては精神科特例の廃止を進言してください。

⑫都として地域移行が確実に行われるよう何年以内に何人など人数の目標を具体的にたててください。また虐待0、身体拘束0、隔離0、社会的入院者0という目標を明確に打ち立ててください。

以上

 

滝山病院の看護師による患者暴行事件に関しての抗議及び要望

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