相模原で起きた障害者殺傷事件に関する抗議声明

2016年7月29日

相模原で起きた障害者殺傷事件に関する抗議声明

全国自立生活センター協議会
代表 平下耕三

 私たちは、どんな重度な障害があっても地域で当たり前に生活する社会の構築を目指し、全国各地に計127カ所のセンターからなる障害当事者団体である。
このたび(2016年7月26日)に発生した相模原殺傷事件に関して多くの障害者の命がうばわれ、たくさんのけが人が発生したことに関して悲しい気持ちでいっぱいである。犠牲になられた方のご冥福をお祈りし、負傷された方々に心よりお見舞い申し上げます。
今回の事件は、容疑者の犯行の動機を含め、事件の全容解明が待たれるところだが、いかなる理由があろうと、「障害があること」を理由に人命が奪われて良い訳はない。容疑者は障害者の存在を否定し抹殺する方が良いというような趣旨の思考の持ち主であったような報道もされているが、もしこれが事実であり、今回の犯行の動機となったということであれば、優生思想そのものであり、強い怒りを覚え、深い悲しみに打ちひしがれる。ここに改めて私たちは優生思想の撲滅に向けて闘うことを誓う。
一方、容疑者の病歴から措置入院のあり方を見直すという報道があるが、これには議論の方向性と報道のあり方によっては、犯罪と障害を安易かつ一律に結び付けるような偏見を助長しかねないことから、丁寧かつ慎重な議論と報道のあり方を求める。もちろん犯罪に対する罰と償いは求められて当然であるが、犯人個人の問題として終わらせることなく、こうした思考、行動を生み出してしまう原因の一つに、社会の側が持つ問題があるかもしれないということにも目を向けるべきと考える。
2014年に日本も批准した国連の障害者権利条約と本年4月から施行された障害者差別解消法は、多様性を認め合い、インクルーシブな社会を目指したものである。私たちは、条約と法律の趣旨が広く浸透し履行されていくことで、今回のような事件がなくなると信じ、今後も障害種別を問わず必要な支援が行き届き、地域での自立生活が確立できるよう活動していくことを誓う。