ネパール被災障害者支援0507

2015年4月25日に起きたマグニチュード7.9の地震により、ネパールの多くの地域が深刻な被害を受けました。中でも、人口密度の高いカトゥマンドゥ、シンドゥパルチョック地区、ゴルカ地区、ヌワコット地区、ダディン地区、その他の人里離れた基礎的なインフラや救援が行き届いていない地域が、今回のとてつもない災害により最も深刻な被害を受けました。今回の地震は、今世紀で最悪の自然災害であると言われています。

最新の統計では、死者は7,557名にのぼり、重傷や閉じ込められてしまっている人たちの数も相当あります。最新の情報では、負傷者数は14,536名です。数え切れない人名が失われるとともに、人々は家を、コミュニティを、そして生計手段を失いました。最新のデータによりますと、16人以上の障害者が地震により亡くなっており、人里離れた地域での状況はまだわかっていません。200名以上の障害者が今回の地震により被害を受けたと言われています。障害のある両親が死去した後、残された子どもたちの状況は悲惨なものです。

損失は、いくらかは把握されていますが、まだわからないことが多く残されています。この壊滅的な地震により、人命、財産、動物などが甚大な被害を受けました。私たちの国と国民は、今回の災害の余波を生きながらえるためにも、ありとあらゆる支援を必要としています。障害者は、この地震の最初の被害者です。インフラや警備、支援、介助者、車いすが不足していることにより、数え切れない人命が未だに危機にさらされています。多くの場所で、未だに救援を待っている人たちが居ます。また被災者の状況は予想以上に深刻です。他の人たちと同様、障害者も家族とともに、開けた場所にテントを張って避難しています。ただ、テントの数が限られているため、夜や雨の日には劣悪な状態になっています。

ネパールには、車いす利用者が利用することのできるアクセス可能な公共のトイレ、アクセス可能な交通機関、インフラが一つもありません。市場の食料品の値段も高騰しています。食糧難になることを恐れ、自分たちのために備蓄しているためです。政府からの緊急支援資金も、全ての地域に十分に届いているとは言えません。同様に、多くの人が地震で負傷し、将来的に障害を持つことになるでしょう。また障害者の家の多くも損傷、全壊していることがわかっています。何人かの人はパニックになり、迅速な救援を必要としています。ホームレスになってしまった人たちもいます。未だに小さい余震が続いているため、損傷した家には怖くて入れない人も多くいます。

このような悲惨な状況において、CILカトゥマンドゥは既に何人かの被災者に対し、救援を開始しました。キッチンと、移動式トイレのスペースのついたテント5つが、ジャワラケルの国立動物園の前のサッカー場に設置されました。女性10名と、男性15名が家族、ボランティアとともにその救援キャンプで暮らしています。ネパールFNCCI、ネパール赤十字社、その他個人による支援を受けて、CILでは食料、毛布、ベッド、尿道カテーテル、医薬品、その他必需品を、被災者に対して供給しています。被災者は、始めの数日間、移動式トイレがなく苦労しました。動物園のトイレを利用していましたが、車いす利用者にアクセスできるものではありませんでした。強い財政的基盤がない中で、CILカトゥマンドゥは四苦八苦しましたが、とにかく一歩を踏み出しました。CILは、負傷して障害をもった人々のリハビリと、家族や愛する人、親戚などを失った障害者が震災後の心の闇から脱することを支援できるように、継続的な支援を必要としています。多くの関係者が、私たちの活動がもっとも脆弱な人々に取って意味があり、かつ裨益できていると気付いてくれています。CILカトゥマンドゥはネパール政府、国内、国際NGO、個人と調整して、救援のための支援を受けています。私たちは世界中の皆さんに対し、以下のような救援セットとリハビリに必要な資金の援助を呼びかけたいと思います。

1.救援セットとして、テント、食料、衛生用品、純水、シェルター、マットレス、洋服、移動式トイレ、車いす、医薬品など

2.CILは、被災地に仮設リハビリテーションセンターを設置し、医療サービス、理学療法、介助者サービスなどを提供するための資金が必要です。

3.CILは、被災地に障害者のための恒久的なリハビリテーションセンターを設立し、長期的にサービスを提供するための資金が必要です。

4.CILは、被災者が家や宿泊所の建設、家の補修をすることで復興し、将来像を描けるようになるための資金が必要です。

5.CILは、被災者に対し、彼らが自立してコミュニティの一員となるために、収入を確保するための活動、職業訓練、能力向上研修などを提供するための資金が必要です。

6.CILは、重度障害者に対する介助者サービス、ピアカウンセリング、アクセス可能なインフラの整備、アクセス可能な交通機関、福祉用具、自立のためのILPなどを実施するための資金が必要です。

7.CILは、国内・国際的な法律、法令、政令、ネパールの障害者によるプログラムについて、アドボカシー活動を実施するための資金が必要です。

8.CILは、ネパール政府と国際社会に対し、以下のことを強く要望します。
(a)福祉機器と技術、
(b)アクセシビリティ
(c)重度障害者に対する介助者サービス
(d)雇用義務、または社会保障(年金、手当、健康・生命保険等)
(e)地域における自立生活

ありがとうございます。
クリシュナ・ゴウタム
ネパール、自立生活センター・カトゥマンドゥ