■厚労省の方へ要望・意見・感想■■□■■■■■■■■■■■■■■

樋口/
 これからの時間は、シンポジストの3名の方から、やはり厚労省の方とこれだけの時間をかけて具体的問題を話しても、ここは分からないとか、こうしてほしいとか、要望、意見、感想を一人5分ずつもらい、その後、また伊原さんに今後、厚労省のお役人として、私たちの熱い気持ちや不安、実状をどう反映して、政策づくりをしてもらえるか、誓いをたてていただけるとありがたいと思います。
 では、ALSの北谷さんお願いします。

北谷/
 2つあります。
 障害の程度を決めるとき、いかにして障害者のニーズに応えていくかが心配です。進行性の難病の場合は、最も判定が難しい。 あと、国の予算をどこからもってくるか、教えて欲しい。

樋口/
 川口さん。

川口/
 私は伊原さんにエールを送りたいと思います。「頑張っていい制度を作っていきましょう」
 皆さんにもエールを。
 ALSの人が生きていられるのは、すでに国民の合意があるということです。橋本さんはよく怒って、審議会などあらゆる場所で国民の合意が得られないと言いますが、でも、日本ではALSの人や精神障害者の人たちのような弱者が生きていられる。すでに合意が得られており、それを死守する、ここから動かなければいいわけです。承認されているのですから。あとは、一緒に頑張りますから。

中西/
 今回の自立支援法の中では、全身性の移動介助は見送っているわけです。その意味で、以前に比べると、進んだと言えば進んだ。 これが、2分の1が義務的経費にきちんとされたというのは、介護保険統合と???一歩進んだと言えると思います。でも、やはり知的、精神の問題に関しては、答えは出てきていません。ここのところ、どこまで進めるのかについて、一歩二歩と進めていかないと、何事も解決しませんので。自立支援法をつくり、この後、10年、20年と法改正はないだろうと言われています。障害者福祉が自立支援法でいくのであれば、その内容をもっと高められるところまで高めていきたい。残された時間はすくないが、我々は、せめぎ合いのさなかにあるんだろうなと。調整の中で、どこまで出てくるか。これが賭けですが。問題がクリアになった時に、伊原さんらが、財務省とかけ合って、どこまで財源をとってこられるか。政治が絡みますので、伊原さんは嫌がるかもしれない。我々の思いが今日で伝わったと思うので、支えていって頂きたい。この問題の解決は、09年の新たな介護保険の統合の動きにつながっていくと思うが、運動は永久に終わらず、毎年課題をかかえ、解決が必要なので、今回、どこまでやれるのか、介護保険統合になったときに、どういう状況を迎えるのか、今の介護保険のままでは、決して統合できず、よいサービスレベルに回していけるような時代を09年に迎えられるようにしていきたいと思っています。

樋口/
 ありがとうございます。伊原さん、さっき、いろいろ言ってしまいましたが、その上に、今の国会審議、中西さんの参考人招致があさってということで、のびのびになった分が、この段階で実施されますが、国会の動きの中で、時間的経過がどう動いていくのかとか、教えていただける範囲で、教えていただきたい。
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伊原 和人 (厚生労働省福祉課企画官)

 今日は3時間、ありがとうございました。
 私自身も、きっといっぱい叱られるだろうなと思いながら参りましたが、それよりは、いろいろな方の話を聞かせていただき、自分としては、わかっているつもりでいて、分かっていないことが沢山あり、いろいろな方にお会いするたびに勉強させていただいています。ほんとうに今日は、こういう機会をいただき、ありがとうございました。今、お話がありました、国会の動きについて。 実は、私が役所に入って、20年くらいになりますが、その間、ずいぶん変わりました。
 以前なら、役人が段取りをして、法案可決もこの時期かな、こういうふうに修正して、こういう確認をしてという物事がほぼ事前に決まっていた時代です。介護保険成立ぐらいから変わってきました。特に今日のように、時代が複雑になり、説破詰まってくると、正直わからなくなります。今日、ここに私が来ていますが、今日私が申し上げられるような、自立支援法はどういう経過をたどるのかはわかりません。 今回、参考人質疑ですが、その後、与野党間で協議されています。与党側は法案を提案したのですから、成立したい。野党からは、これまでの審議で出てきた意見や、参考人質疑の意見を聞きながら、実際どうするかを、廃案として反対を続けるのか、中身について、どう修正するのか、そこは分かりません。わからないだけに、樋口さんから、この後どうなるか、という話がありましたが、協議の結果、審議が再開され、最後は…。私から申し上げられるのは、皆さんにとって支援費が始まったときの混乱、またその後の流れ。去年のグランドデザインから、法案審議の間にいろいろなことがありました。何度も日比谷公園に足を運ばれたり、いろいろな思いがあったと思います。そういう経緯は、もちろんありますが、今回提案の、我々が考える自立支援法は、そうしたこれまでの流れを、私なりに踏まえた上で、提案させていただきました。中身に関して、いろいろなところから、ご意見や、とんでもないということがあろうかと思いますが、我々なりに、どうやって支援費のよさを生かしながら、しかし、支援費が抱えている不完全な部分、特にスタートしたときの財源問題について、何とか手当を講じたいと思っています。障害者福祉の流れを踏まえた上で、今回の自立支援法を評価していただきたい。
 中西さんから、この法案で、10年、20年という話がありましたが、私はそのままでいいとは思っておらず、谷間の問題など、まだまだありますので、考えていかなければと。 そういう意味では、今回は、支援費に続く、第2弾のものとして、また、何年後かに、また違うチャレンジをしていかなければならない。 特に、財源問題については、消費税のこともたぶん出てくるでしょうし、介護保険の議論もあります。この問題に社会保障をやってきた私自身も、考えなくてはいけないと思いますが、当事者の皆さんも、どういう視線で考えていくか、ひとりひとりの意見は違うでしょうが、財源から目を背けては答は出ないので、ぜひお考え頂ければと思います。以上、私の意見でした。

樋口/
 ありがとうございました。
 具体的な質問はたくさんいただきました。ヘルパーとの関わりとか、さまざまありましたが、伊原さんに集中して答えていただくということで、中西さんへの質問は、明日以降の議論に回させていただきます。たくさんの質問や実状を訴えた文面については、伊原さんに、コピーをとるなり、原本なりをお渡しして、読んでいただき、今後の制度に生かしていただけるよう、使っていただきたいと思います。 皆さん、長い時間、3時間15分、集中していただき、ありがとうございました。手話通訳のお二人のシンドウさん、ありがとうございました。パソコン要約筆記の田辺さん、梶谷さん、富澤さん、金丸さん、ありがとうございました。 シンポジストの3人の皆さん、沖縄のシンポジウムでは、シンポジストがトイレに行ったり、うろうろしたり、「変なシンポ」と思いながらやりましたが、今年は皆さん、3時間半釘付けで、本当にお疲れ様でした。
 長い時間集中して、熱い討議に参加してくださった参加者のみなさん、本当にありがとうございました。 コーディネーターの力不足もあり、物足りない思いで帰る人達いると思いますが、これからの厚労省行動や国会行動にそのエネルギーをぶつけていただきたいと思います。いい法律、自立支援法が成立するのであれば、ほんとうに使いやすい法律として成立してほしいというのは、皆の熱い、共通の願いだと思います。
 では、これでシンポジウムを閉じさせていただきます。
 シンポジストのみなさん、本当にありがとうございました。(拍手)

司会/
 長時間、ご発言いただきました、パネラーの皆さん、コーディネーターの樋口さん、どうもありがとうございました。
 これでシンポジウムを終わります。ほんとうにありがとうございました。
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