WIN共同声明 "June 14, 2021 at COSP 14 Side Event" 国連障害者権利条約の締約国会議サイドイベント開催の結果、World Independent Living Center Network ? WIN(世界のILセンターネットワーク)は各国の政府、国際機関、市民団体等に向けて以下の呼びかけをする: 1. 権利条約第19条及び一般的意見5に沿った共通の自立生活の定義・理念を採用すること。 第19条及び一般的意見5によれば、すべての障害者は地域で自由に自立生活をすることを選択する権利がある。 自立生活は障害者が自身の生活をコントロールし、自己選択をすることを可能にする。 2. コロナ禍において障害者の生活がどのような影響を受けたかを認識すること。 新型コロナウイルスは障害者の排除を悪化させ、既にあった不平等を深めた。 それはリソースが非常に限られている途上国の農村地域では特に顕著である。 多くの国で政府による介助サービスに対する支援・財政援助が不足していたために、介助者たちは「エッセンシャル・ワーカー(不可欠な仕事を担う働き手)」として扱われなかった。 このことは財政が厳しくなった、もしくは底をついてしまった自立生活に関わる団体と、これらの団体に毎日のサービスを頼っている利用者に対し、非常にネガティブな影響を与えた。 3. 脱施設のための緊急計画を策定すること。 隔離という施設特有の構造的特徴とシステムにより、多くの障害者が入所施設で命を落とした。 各国の政府が自粛・規制等を緩和していく中で提示している以下の解決策は、到底受け入れられるものではない。それは、 自力で生活できない場合は施設入所すべきという提案である。 政府はこの間のパンデミック中に学んだ教訓に基づいて、地域移行計画を実現するため、非常に明確なスケジュール、独立した監視メカニズム、および十分な予算とともに、効果的な脱施設法制化および行動計画に緊急に投資する必要がある。 政府はコロナからの復興を目的とした私的または公的資金が、いかなる種類の施設にも使われないようにする必要がある。 4. コロナからの復興プロセスを活用して、既存の不平等と将来の自立生活の侵害に終止符を打つ。 「他人に行動や生活様式を制限されるということがどういうものか」を世界中の人々が同時期に経験したことをチャンスと捉え、我々は脱施設と自己決定の声をあげていく。 障害者のインクルージョンを生活のあらゆる面で主流化する上で、真のインクルージョンを奨励し、政治的および社会的レベルでパラダイムシフトを支援するための意識向上キャンペーンが必要である。 さらに政府は、障害者とその組織が最初から最後まで有意義に関与しなければ復興プロセスは達成できない、ということを理解する必要がある。 5. 今こそ世界的な自立生活運動の重要性を認識すること。 自立生活運動は、ピアサポートや介助サービスなどを通じて、障害者が施設ではなく、思い通りに生活するための実用的で包括的な解決策を提供する。 私たちの運動は、すべての障害者のエンパワーメントと、すべての障害者の市民的、政治的、社会的、経済的権利の完全な行使を促進する。 6. 私たち、世界自立生活センターネットワーク(WIN)は、コロナからの復興に関与しなければならない。 私たちは障害者として、国籍、人種、宗教、性別、性的指向、年齢を超えた共通の価値観と課題を共有する。 私たちはWINとして集まり、世界中の障害者を代表して、すべての人が自由を獲得するまで権利擁護運動をしていく。 WINの立場で、私たちは監視役となって、締約国が第19条および条約全体に基づく義務を遵守できるように、解決策を監視、報告、提案する。 WINとして、世界に自立生活運動を広めていくことを通じ、私たちは脱施設化のプロセスをリードし、支援していく。 これにより障害者はピアサポートと自立生活センターの設立を通じて、自身の権利を確実に理解できるようになる。そして自立生活センターは、障害者の施設から地域移行への支援をする上で主要な役割を果たすことができる。 ぜひこのミッションに共に参加してください。  ありがとうございます。