2.サービス別まとめ

(1)相談・情報提供事業

 自立生活センターの基本事業でもある相談件数は、年々増加し、2003年度実績では、合計42553件の相談がよせられた。相談内容としては、制度についてや自立生活に関することとして住宅改造や介助者との関係づくり、子育て・就業に関して等、多岐にわたっている。とくに新たにスタートした支援費制度に関する相談が多くなっていた。

棒グラフ

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(2)介助派遣サービス

 2003年度の介助派遣時間実績は前年度比で約2倍の増加となっている。2003年度よりスタートした支援費制度により、それまで潜在化されていたニーズがサービス利用の激増というかたちであらわれ、ヘルパー事業を受託した団体がそれに対応することで派遣時間数が伸びている。障害種別の派遣時間数もそれぞれ著しい伸びをみせている。身体障害者については1.8倍、視覚障害者については3.6倍、知的障害者は4.4倍、精神障害者で2.6倍の増加となっている。

・介助サービス派遣時間数(障害種別)

           単位:(時間)
空欄 身体 視覚 知的 精神 その他
2003年度 2,172,229 32,212 328,511 5,542 18,203
2002年度 1,215,685 8,967 74,339 2,158 16,767
2001年度 1,055,790 2,433 46,032 1,541 21,679

     ・介助サービスの利用者割合
円グラフ
障害種別 利用者人数(人)
身体障害 3,138
視覚障害 200
知的障害 1,004
精神障害 60
その他 194
合 計 4,596

     ・介助サービスにおける各種対応状況
グラフ


 自立生活センターの特色である『自薦ヘルパー方式(利用者自らが自分の気に入った人を選び派遣する方式)』を導入している団体は7割を超えている。
 夜間や緊急時に介助者を派遣する『緊急対応』をおこなっている団体は9割にのぼっている。急に具合が悪くなったり、ベッドや車イスから落ちた場合等、介助依頼に携帯電話等で対応し、24時間対応できる体制をとっている。
 『医療的行為(褥創の処置や気管切開者のたんの吸引、摘便など)』も利用者のニーズに対応し、多くの団体でおこなわれている。医療的行為のノウハウのある職員は講師とし、他センターや個別に介助者への研修をおこなっている。



(3)自立生活プログラム開催状況

 2003年度より開始された支援制度にともない、2002年度に引き続いて個別対応の自立生活プログラムが多く行われた。精神障害者や知的障害者向けのプログラムも行われ、自立生活者数の大幅な増加につながっている。また、自立生活体験室の設置が増加しており、プログラムにおける宿泊体験等で活用されている。
 カウンセリング講座では、開催数は減っているが、個別対応のILPの増加を含めれば、実質的にはピア・カウンセリング実施日数は増加していることが数字から読みとれる。精神障害当事者の職員がピア・カウンセリングを行うなど、障害種別に対応できる取り組みが進んでいる。

棒グラフ

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空欄 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
ピアカウンセリング講座
受講者延べ人数
692 1,900 2,673 3,396 1,420
自立生活プログラム講座
受講者延べ人数
2,885 4,647 3,678 3,028 2,829

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