当事者エンパワメントシンポジウム』

「今の僕、これからの僕たち」

大川 創
(社会就労センターわかたけ)


  いまの僕はわかたけで陶芸をしています。陶芸班には19名いて、飾り物や置物が得意な人、皿や壷などを作る人、乾燥して固まった土をもう一度使えるようにする人と、みんないろいろとその人に向いた仕事があります。僕は皿や壷などを作っています。その中で一番僕が好きなものは、電動ろくろで自由にいろいろな作品を作ることです。他にはタタラで花器を作ることです。タタラで大皿や小皿は似たような同じ物が作れても、花器はめったに同じ物が作れないし、電動ろくろも同じ物を作るのはいまの僕にはできないので、自由という感じがするからです。そして僕がいま楽しみにしているのが、陶芸サークルです。月に2回しかないけど、その場で指導者になり、教えながら作品を作ることというのが楽しいです。もしできるのなら、学校や他の福祉施設に行ってみたいです。それと他の県や市町村の焼き物も見てみたいので交流もしてみたいです。

  それから、これが自分が作った皿、花器です。またわかたけでは昨年自治会を作りました。いままではほとんど職員が決めていたことを自治会で決めることが多くなりました。最近では一般就職をした仲間のお祝いを企画したりして、係りを決めて行いました。会費を決めたり、日時を決めたりするのがとても大変でしたが、みんなが楽しく過ごせてよかったと思っています。これからも仲間同志で話合って楽しく仕事や行事ができるように、活動をがんばりたいとおもいます。

  それから僕は外見は普通の人とほとんど変わらないけど、障害を持っています。それは知的障害です。僕の願いは知的、身体、精神という障害を持つ人たちで、健常者と同じように生活していきたいです。やはりそのためには僕たち障害者と健常者が、もっともっと交流しあっていかなければならないのではないかと、時々思います。なぜなら僕は、初めて目の見えない人や耳の聞こえない人といっしょに働くようになって、少しずつ目の見えない人や耳の聞こえない人の楽しさや気持ちがわかったからです。だから健常者の人たちの中で僕たち障害者が一緒に暮らしていくことで、僕たちの気持ちがわかってもらえるようになると思うからです。もっともっと僕たち障害者のことを知ってもらえたらと思っています。そのために健常者の人たちといっしょに働いたりできたらいいなと思います。僕は今わかたけで仕事や自治会をがんばりながら、就職を目指しながらがんばっています。