出直してよ!
「障害者自立支援法」10・31大フォーラム



 厚生労働省前報告  国会議員要請団報告  国会請願デモ報告
 銀座マリオン前ビラマキ報告 ■ 東京方面デモ報告 
 photo garally

■ 厚生労働省前報告
平下 耕三 (自立生活夢宙センター)  

 ちょうど一年前の10・31に「障害者自立支援法」は強行採決された。いつまでも“あの日”のみんなの顔は忘れていません・・・唇を噛みしめながら怒りを閉じ込めていた“あの日”です。

 あれから一年、全面的に施行された「自立支援法」は全国各地に猛威をふるい、障害者の地域生活に様々な影響を及ぼしています。蔓延する前に、やはり制度設計そのものから見直しをさせなあかん。

 今回見直しを求め、日本障害者協議会・全日本ろうあ連盟・私たち全国大行動実行委員会にて「自立支援法」の出直しを求め、10・31大フォーラムが実施された。我々、全国大行動実行委員会は、厚生労働省前集会を任された

 集会では、開会にあたり、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷氏、全国大行動・横山委員長、自治労社会福祉評議会・中西氏によるあいさつがあり、JIL事務局長の佐藤氏よりこれまでの経過説明があった。その頃から、人がどんどん集まり、全国各地から厚生労働省前・日比谷公園前に約1500人の仲間が集結した。地方からのアピールで宮城・大阪・鹿児島の仲間からは「大幅に時間数が削減された」「グループホーム内にヘルパーをいれれない」等のたくさんの課題があげられ、切実なアピールが続いた。

 その後、集会参加者一同が見守る中、集会アピール文が採択され、JDの吉本氏より閉会挨拶があり、集会が終わった。最後にみんなの声をひとつに、高らかにシュプレヒコール!いざ国会請願デモ・東京駅方面デモへ「障害者の権利と当たり前の地域生活を勝ち取るまで最後の最後まで闘うぞ!!」
■ 国会議員要請団報告
辻 直哉 (愛知県重度障害者団体連絡協議会
 要請行動団は、1班約5名で組織され計36班、総勢約180名で、衆参両議院すべての国会議員に対し、陳情を行うという、いまだかつてない大規模なものとなった。

12時40分日比谷野外音楽堂裏へ集合した行動団は、そのまま行動団送り出しセレモニーのためステージへあがった。その瞬間、私はあまりの熱気に息をのんだ。まず眼に飛び込んできた光景は、会場からあふれんばかりの人の多さだった。行動団代表のあいさつが終わると、会場から「がんばれ!頼んだぞ!」といった声が、拍手と一緒にエールとして送られた。わたしは、任されたことの重大さに、身が引き締まる思いがした。

大行動が担当した議員は、衆参議院あわせて約120人で、6班に別れ、陳情にまわるというものだった。両議院に分かれ会議室で事前打ち合わせを行った。その後、班ごとに分かれ、受付にて、議員ごとにアポ取りを行った。

ここで驚いたことが起きた。それはある参議院議員が面会を拒否したことであった。こちらも議員に直接会うことはできず秘書対応であることは、予想された。まさか、秘書にさえ会うどころか、要望書も受け取ることさえも拒否するとは、本当に我々国民の代表であるのか、怒りを通り越してあきれて言葉も出てこなかった。

みんな真剣に訴えたのだが、議員に直接話ができたケースは少なく、大半は秘書対応であった。しかも、自立支援法自体を理解していない様子であった。このような法律も理解していないまま、昨年国会の本会議にて賛成したとするのであれば、あまりにも無責任なのではないだろうか。

 しかし、決してあきらめてはいけない。来年は、参議院選挙がひかえている。自立支援法を争点にし、これからも地元選出議員に現状を理解してもらい、この法律を、しっかり修正させよう。
■ 国会請願デモ報告
今村 登 (自立生活センターSTEPえどがわ
 昨年の障害者自立支援法成立から満1年、本格施行から1ヶ月の2006年10月31日にぶつけて行われた全国大行動。ここ数年の全国大行動はいつも悪天候に見舞われていたものだが、今回は正にデモ日和?といわんばかりの晴天の1日だった。(ようやく気象庁も味方についたか!)

 2年前、それこそ青天の霹靂(へきれき)で登場したグランドデザイン案。今度は与党&厚労省&財務省にお返しをしたいものである。ここまで障害者、関係者の反発と世論の批判が起こるかと、ソフトバンクに勝るとも劣らずの「予想外」攻撃で自立支援法の根本的見直しと介護保険への統合を断念させようと、障害者運動の歴史上過去最高となる15,000人もの人が全国各地から集結した。

 我々の参加した国会請願デモ隊は、厚労省前でシュプレヒコールとアピールを繰り返した後、数グループに編成され、日比谷公園から交通整理の警官を従えて、車道を思い思いのプラカード、ゼッケン、ノボリをかざし、トラメガでシュプレヒコールを上げつつ、国会議事堂〜衆議院議員面会所〜参議院議員面会所と続く約3kmの道のりをおよそ2時間かけてデモ行進を行った。自前のプラカードに綴ったフレーズは「介助は 益 じゃない!」と「厚労省!財務省!! お前らも ウ○コ するのに金払え!」だった。当日の朝、急遽思いついて作ったものだったが、これが思いの他好評で、特にウ○コの方は参加者、報道関係者のカメラにたくさん撮られた。

 それにしても、やはりどう考えても法の名前通り、障害者の自立支援を本気で推進しようとして作られた法律とは思えない。「理想と現実は違う」とか「財源がないから仕方ない」などなど言われるが、ここは愚直なまでに「そもそも論」にこだわって、おかしいものはおかしいと主張し、この自立支援法の根本的見直しを求め続けることがこの国の方向性を誤らせないためにも重要であろう!これからも諦めず、この難局を打破していきましょう!
■ 銀座マリオン前ビラマキ報告
小坪 琢平 (自立生活センター・ナビ)

 日比谷公園の日比谷門前でろうあ連盟・JDと合流し、150人程度で銀座マリオンに向かった。14時過ぎから銀座マリオン時計台周辺でアピール行動とビラまきを開始した。参加者に随時マイクを回していった。
 
 参加者からは、「このままでは自立生活は続けられない!」、「全員が障害者になる可能性がある。誰もが安心して生活できる制度に!」など全員が障害者自立支援法に対する切実な思いを訴え3時間以上行動を行った。人通りが少なかった事もあり1万枚用意したビラを、ほとんどを持って行ったがなかなか受け取って貰えずビラが掃けず苦労した。

 最後には「これからも粘り強く運動を続けて行こう」という事でビラまき行動を終えた。

■ 東京方面デモ報告
東谷 太 (自立生活センター・あるる)

 10月31日12:30にスタートした厚生労働省前集会も終盤に差し掛かり、ようやく東京駅方面デモの隊列作りの声が掛かり、日比谷公園霞門(かすみもん)へと移動。隊列を組みながら一足先に集まっていた国会請願デモ隊を送り出し、いよいよ我々の出発が迫ってきた。久し振りのデモ行進に、にわかに緊張感が高まってきた頃、街宣車に誘導され日比谷公園西幸門(にしさいわい)より出発。当日、全国各地から集まってきた仲間は約15,000人。東京駅方面デモにもたくさんの仲間が参加した。

 日比谷公園西幸門を出発したデモ隊は、「出直してよ!障害者自立支援法」の横断幕を先頭に、各自用意した横断幕やのぼりを掲げながらシュプレヒコールを繰り返し進みました。しばらくして、JRのガードを超えた所で左折して東京駅方面へと北上した頃から、いよいよメインイベント?の銀座へと差し掛かりました。銀座は夜の街なのか、デモ行進したのは日中だったためか、思ったほどの人通りはなかったものの、銀座をシュプレヒコールしながら行進をするというのは、自然とテンションも上がっていきました。

 銀座を超え、東京駅を左にしながらデモ隊は更に行進し、終点の常磐橋公園まで、声をからさんばかりにシュプレヒコールを繰り返しながら、道行く人々に訴えました。

 この数年の間に何度も行われたデモ行進。それこそ、厳寒の中や、台風の中、何度も何度も繰り返し我々は訴えてきました。それでも自立支援法は成立し、執行されてしまいました。そんな中、今回の行動に異議を唱える人もいるかもしれません。しかし、それでも我々は地域生活を諦めるわけにはいかない以上、これからも、一人でも多くの人々に我々の思いを訴えていかないといけないのではないでしょうか!たとえ声がかれようとも我々の地域生活の確立が達成されるまで叫び続けようではありませんか!!
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